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AI時代に必要なスキル

ChatGptから始まった生成AIブームの中で、今後、ソフトウェア開発の技術がどのような影響を受けるのか関心を持つかたは多いと思います。筆者は今後のソフトウェア開発のかたちに生成AIが大きな影響を与えると予想し、そのトレンドを注視しています。

今回、ご紹介するのは、数学とビジネススキルが生成AIの発展により、どのような位置づけになるかを考察したCNET Japanの記事です。

同記事では:

生成AIを利用してソフトウェアを開発する技術者はデータの統計的処理の結果であるAIの動作を理解する上で改めて数学的な理解を深くする必要がある。

AIモデルを理解するための数学的な知識が、従来のコード(ロジック)や言語、OS。ハードウェアを中心とした知識と同じような位置づけのITの基本的な知識となるのではないか。

AIベースのツールが日常的な問題解決の道具として非技術者に活用され、開発者はより戦略的な思考やシステムの理解が必要な高度な問題の解決に取り組める。

ITの専門家は日々の自動化の仕事から解放され、ビジネスリーダーと連携して、より創造的なテクノロジーの活用によるより重要なビジネス課題の解決に関わっていくことになる。

としています。

全般にやや楽観的な予測といえますが、読者のみなさんはどのようにお考えでしょうか?

CNET記事:AI時代に求められる2つの対照的スキル–数学とビジネス開発

ところでAIや機械学習といえば、開発言語としてPythonが必須です。Pythonについては、たくさんの技術関連記事がありますが、仕事との関連を検討した記事は少ないですね。

ここでは、実際の仕事としてどのような案件が多いか、具体的に必要なスキル、月額単価など興味深い視点で実情を分析した記事をご紹介します。

プロエンジニア記事:Python案件の最新動向や将来性をフリーランス向けにプロが解説!【Python案件特集インタビュー】 – プロエンジニア (internous.co.jp)

【インフォテックの人材募集】次世代のインフォテックで活躍する仲間を探しています

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ITスキル標準を知ってますか?

ITスキル標準は経済産業省が定めた「情報サービスの提供に必要な実務能力を明確化、体系化した指標」です。

2002年に最初のものが公表され、その後改訂が続き、2012年3月公開の「ITスキル標準 V3 2011」が一応の区切りとなっています。

制定の背景には、情報化の進展に伴い、高度な人材の育成の必要性が認識され、企業にとってはスキルの評価や調達方針を明確化できる具体的な指標を、個人にとってはキャリアパスで身につけるスキルの明確化を提供しようという目的がありました。

「標準」にはそもそ、性格上、堅苦しさがあり、とっつきにくいものですが、スキル標準は企業の実務やプロフェッショナルのスキルアップに利用されることを目指しており、なかなかよく考えられています。皆さんが今後、キャリアパスを考えていく上で参考になると思います。

ITスキル標準の主要部分はキャリアフレームワークとスキルディクショナリという2つの文書で示すことができます。

キャリアフレームワーク
キャリアフレームワーク (経済産業省、IPA「ITスキル標準V3 2011 2部:キャリア編」より) (クリックで画像拡大)

上図がキャリアフレームワークです。横軸に11職種、35の専門分野、縦軸に7つの能力レベルを示します。この表はビジネスで要求される成果の指標(達成度指標)により、これを達成するプロフェッショナルの実務能力を示すものとしています。

能力レベルと評価
能力レベルと評価 (経済産業省、IPA「ITスキル標準V3 2011 1部:概要編」より)
(クリックで画像拡大)

上図は能力レベルとその評価方法の概要を示します。レベル1から3は、1人で仕事をする能力で、レベル3で初めて独力で仕事をできる技術者となります。レベル4以降は技術チームをリーダーとして指導・管理した経験があることが必須になります。

レベル5は社内で認知されるレベル、レベル6は業界で認知されるレベル、レベル7は業界トップレベルという位置づけになります。

実際には職種毎に細かくレベルについて記述されています。ちょっと気になるのは開発プロジェクトの規模とレベルが対応している点です。最近のアジャイル開発などでは様子が違うように思いますし、プログラマーのように1人で素晴らしいコードを書くタイプの技術者をどう評価すべきかという課題は残ります。

ただ独力で仕事ができるかどうか、会社や業界においてどのレベルに相当するかという考え方は能力評価に一定の枠組みを与えるのではないかと評価します。

スキルディクショナリは下図に示すように、スキル項目と知識項目を階層化し、職種と専門分野にどの項目が必要かを一覧形式で示したものです。

スキルディクショナリ (一部)
スキルディクショナリ 経済産業省、IPA「ITスキル標準V3 2011 スキルディクショナリ」より一部抜粋 (クリックで画像拡大)

ITスキル標準の大きな特長は情報処理技術者試験と対応していることです。下表は情報処理技術者試験の出題範囲であるスキルと知識項目とスキルディクショナリの項目との関連を示しています。

図中、横軸の各技術者試験に応じて色分けがされている欄はその試験の出題範囲となる項目を示します。○印は専門領域ではないが広く習得が望ましい項目を表します。

スキルディクショナリー (試験との対応表・一部)
スキルディクショナリ(試験との対応表)経済産業省、IPA「ITスキル標準V3 2011 スキルディクショナリ(試験との対応表)」より (クリックで画像拡大)

ITスキル標準では、これらのスキルをどのように学べばよいかも「研修ロードマップ」を作成することにより提示しています。これは各職種毎にかなり詳細に定義されています。

以上が、ITスキル標準の概要です。本来は情報サービス企業がIT技術者の採用や育成に利用することを目的として作成されたものですが、個人のキャリアパスの検討やスキルアップにも利用することができます。ITスキル標準自体が定義しているように、ITスキル標準は実情に合わせて柔軟に変更できる「参照モデル」として位置づけられます。自分の興味のある職種や分野を考える参考として気軽に参照したらいかがでしょうか?

ITスキル標準の資料はIPAの下記のページで公開されています。

ITスキル標準(ITSS)と関連資料のダウンロード

ITスキル標準に関連して、2006年(その後2012年に改訂)に情報システムユーザースキル標準(UISS)、2008年に組み込みソフトウェア開発技術者を対象として「組込みスキル標準(ETSS Series)」が制定されています。詳細はIPAの下記ページを参照してください。

情報システムユーザースキル標準(UISS)と関連資料

組込みスキル標準(ETSS Series)

また2016年から第4次産業革命に向けて求められる新たな領域の“学び直し”の指針としてITSS+が、「データサイエンス領域」「アジャイル領域」「IoTソリューション領域」「セキュリティ領域」の4つの領域で策定されています。これも詳細はIPAの下記ページを参照してください。

ITSS+(プラス)

【インフォテックの人材募集】次世代のインフォテックで活躍する仲間を探しています

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ITエンジニアに英語は必要か?

英語が苦手な方には残念ですが、結論からいうと”YES”です。

まずIT業界では英語が標準語です。マニュアルはもちろん、最新の技術情報は論文であれ、書籍であれまず英語で提供されるので、少なくとも英語の文章を読めないととても不利になります。

たとえば紀伊國屋書店のサイトで和書で「tensorflow」の本を検索すると42件、洋書では129件になり、洋書の多くは英語で書かれています。和書はアップデートされることも少ないので最新の情報を得るには英語の書籍を読まざるを得ないことが多いかと思います。

当社では一部のひとが米国オライリー社が提供している Safari Books Onlineを購読しています。同サービスはもともとIT関連電子書籍の購読サービスでしたが、現在では電子書籍に加え、ビデオトレーニング、オライリー社の各種カンファレンスへの参加ができるサブスクリプションサービスに拡張されています。

価格は年間で499米ドルと個人で払うにはちょっと考えて値段ですが、これで全ての書籍、ビデオトレーニングが受け放題となります。日本でちょっとしたトレーニングの受講料が1日3~5万円程度ですから、英語が得意なエンジニアにとってとてもお買い得のサービスといえます。

また海外のベンダーとコミュニケーションにも英語は必要です。当社もドイツで開発されているPDFlibを販売・サポートしていますので、技術的な問い合わせを行うときは英語の電子メールでやりとりをしています。

実は当社のエンジニアも英語が苦手なひとが多いので、担当するエンジニアには英語のメールの添削トレーニングを受けてもらっています。文法から表現まで個人の能力に合わせた実践的な添削指導を行ってくれるので、終了後はかなりまともな文章が書けるようになるようです。

英語の苦手なエンジニアの方はできれば若いうちに苦手感を払拭しておくことをおすすめします。

本項は Facebook インフォテック公式ページ に2021年5月14日に掲載した記事を再掲しています。